○溜池通信の10月2日号「政権交代後の日本外交」ではこんな風に書きましたが、やっぱり「民主党思考」は国際舞台では通らないんじゃないでしょうか。
日米関係には以前から、①安全保障、②経済、③グローバルイシューという3本柱がある。この3点をどう考えるかが分かれ道となる。自民党時代の従来型の思考では、この3つを、①イノチ>②カネ>③名誉という序列で考えるので、「安全保障でお世話になっているから、米国には逆らえない」となる。ところが民主党では、①安保=②経済=③グローバルを並列と考える。したがって、①で借りがあっても、②や③で返せば良い。「環境問題などのグローバルイシューで貢献すれば、日米は対等になる」という見方である。
自民党思考:安保(イノチ)>経済(カネ)>グローバル(名誉)→米国には逆らえない。
民主党思考:安保(X)=経済(○)=グローバル(○)→米国とは対等である
○そもそも、国同士で決めた「日米同盟再定義」に対して、「われわれはその当時、野党として反対していた」と言ってみたり、「核の先制不使用をアメリカに働きかける」などとゴーマンかましてみたり、最近の岡田外相の発言は「アンタ何様?」という印象がある。インテリジェンス畑出身で、冷静さには定評のあるゲーツ国防長官も、「やってられね」とあきれ返っているのかもしれない。
○ではこのまま放置しておくと、日米関係はどうなるのか。過去にもドイツやフランスや韓国など、いろんな国で「親米政権からそうでない政権へ」という交代はありました。そういうときのアメリカの対応は、しばらくは様子を見る。それでどうにもならんとなったら、さすがに引いていく。今度のケースで行くと、「米軍再編はやめました。グァム移転もしません。このまま普天間に居座ります」となるのではないか。それでは国益を損なうことになってしまいます。
○新政権には、何とかこの辺の事情を学習してほしいと思います。でないと細川政権と同様に、「日米関係でつまずいて短命政権」てなことになりかねません。知らないこと知らないと、少し謙虚になって周囲の意見を聞いてみる方が良いと思いますぞ。
○先日、某所で外務省の人に、「せめてアジア共同体の範囲をはっきりするよう、鳩山さんにキチンと説明したらどうですか。でないと東アジアサミットで恥かきますよ」てなことを申し上げたら、「今は政治主導の時代ですから」とサラリと言われてしまい、脱力しました。どこかの市役所でド素人の若い市長が誕生して、変なこと言い出すものだから周囲が見放して、完全に空回りしている、というのとは話が違います。われらが首相が「裸の王様」になっているのを、放置プレイでは困るではありませんか。